4月22日、電気通信事業者協会は、携帯電話から出会い系などの有害サイトに接続できなくする「フィルタリングサービス」の利用者が、3月末時点で342万人になったと発表した。
半年前にくらべて132万人増加した。
ちなみにこのサービスを利用している割合は、接続可能な携帯電話を持つ小中高生全体の約46%。
フィルタリングサービスとは、携帯電話各社が2003年から無料で提供しているもので、わいせつ画像や暴力表現、自殺、薬物などインターネットの違法・有害なサイトを閲覧できないよう接続を制限している。
これまでは任意だったが、ことし3月からは未成年者の場合、原則として加入しなければならないこととなった。
ただし、親権者の同意があれば非加入となる。
これは、出会い系サイトなどを通じて犯罪に巻き込まれるケースが相次いだことから、総務省が携帯電話会社に対して、18歳未満の青少年を対象に有害サイトの閲覧を制限させるよう働きかけて実現したものだ。
現在このサービスには、各社の公式サイト以外との接続を禁じる「ホワイトリスト方式」と、特定の分野のサイトの閲覧を禁じる「ブラックリスト方式」があるが、4月25日にまとめられた総務省の有識者検討会の中間報告では、ブラックリスト方式への全面移行を提言している。
ただ、人気の高いゲームやケータイ小説、ブログなどの交流型サイトが機械的に排除される過剰規制への不満が利用者に強いことから、第三者機関がサイトの健全性を認定することによって救済する方式を認めることにした。
これを受けて、携帯コンテンツ事業者の業界団体は4月8日、「モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)」の第三者機関を設立、いっぽうゲームソフト会社や出版社で構成する業界団体も、5月中旬に「インターネット・コンテンツ審査監視機構(アイ・ロイ)」を設立する予定だ。
しかし、審査基準の策定や実際の認定作業に時間がかかるのは確実で、新方式への移行は早くても9月以降になりそうだ。
また、民間団体は、自民党内の法的規制の動きを警戒しており、アイ・ロイの代表理事、相磯秀夫・東京工科大学長は、「法律による規制ではなく、民間の自主的な取り組みを認めてもらいたい」と要望している(日本経済新聞4月26日付)。
他方、サイトの健全化や、有害サイトから青少年を守るための企業サイドの動きも活発化してきた。
ヤフー、楽天、マイクロソフトなどネット関連各社は、ネットの危険性を教えるための教材を共同で制作・提供する計画を発表(4月23日)、また携帯サイト運営の「ディー・エヌ・エー」は、会員数が1000万人を超えた携帯サイト「モバゲータウン」の書き込みなどを監視する拠点を新潟市に開設、東京とあわせ450人の監視体制を作った(4月14日)。
【日本の論点PLUS】
いよいよ本格的に児童を守るよー。規制だけど。
大手各社、大慌てのようです。
モバゲーのDeNA社はフィルタリングを逃れたのに、青少年インターネット規制法案ですもん。
規制規制で、つまらない世の中にならなきゃいいですけども。